2016年12月8日
クックパッド株式会社

クックパッドがレシピ検索データを活用した学術論文を発表
100年の時を経て「ローストビーフ」が正月料理の新定番に

クックパッド株式会社は、青山学院女子短期大学の宇都宮由佳准教授との共同研究により、20億件を超えるクックパッドのレシピ検索データと既存研究・文献を用いて分析した結果、ローストビーフなどの牛豚(以下肉)を使った特定のメニューが正月の新定番料理となりつつあることが明らかになりました。この研究成果が、2016年11月10日(木)に一般社団法人日本家政学会食文化研究部会の会誌「食文化研究第12号」に掲載されましたのでお知らせします。

【研究の背景と目的】
正月に肉料理が食べられていることは多くの既存研究からも知られていますが、歴史的経緯や、実際にどのような肉料理が定着しているかについては明らかになっていませんでした。また、江戸時代には一般に普及していなかった肉料理が現代の正月に定着するようになったことは文化的に興味深いことなどから、本研究を実施するに至りました。

 
■正月時期に急上昇するキーワード「ローストビーフ」

クックパッドで正月時期に検索頻度が急上昇するキーワードを調べたところ、軒並み伝統的な正月料理が並ぶ中「すきやき」が9位「ローストビーフ」が14位にランクインしており、もはや正月料理の定番とも言うべき位置づけとなっています。また、婦人系雑誌で正月料理として紹介されている肉料理の歴史をさかのぼると、「ローストビーフ」は戦前の1914年(料理の友 1月号)から紹介されていますが、この頃の多くは伝統料理の対抗馬のような形で紹介されているものでした。戦後から徐々にそのような傾向は薄れ、1990年頃からは、雑誌によっては「ローストビーフ」がおせち料理の定番として扱われるなど、その位置づけが少しずつ変化しながら定着してきたことが分かります。

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正月時期に検索頻度が急上昇するキーワード
ランキング 「たべみる*」より
クックパッドにおける「ローストビーフ」の検索頻度推移 「たべみる*」より

 
■「豪華」×「醤油味」正月時期に求められている肉料理の共通点

「ローストビーフ」以外で正月時期に検索のピークがやってくるのが「すきやき」「しゃぶしゃぶ」「角煮」といった肉料理ですが、これらの共通点としては、“ごちそう”とも言える豪華なイメージを持っているメニューであること、醤油ベースの和風の味付けであることの二点が挙げられます。これに対して、この時期に検索が激減するメニューの代表例が「ハンバーグ」「肉じゃが」で、いわゆる“日常食”化されているメニューは敬遠されるなど、今回の研究により正月時期に食べられている肉料理にははっきりとした傾向が見て取れるという結果が得られました。

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正月時期に検索頻度が急上昇するキーワード
ランキング(肉料理抜粋) 「たべみる*」より
クックパッドにおける「ハンバーグ」の検索頻度推移 「たべみる*」より

 
■地域に差、正月に肉料理が多く検索される東日本

地域別に見てみると、西日本では「鰤、鯛、海老」などが抽出されたのに対して、東日本では魚介系のキーワードではなく「すきやき」「ローストビーフ」といった肉料理が多く抽出され、西日本よりも東日本の方が肉料理が検索されていることが分かりました。古くから、正月の特別な魚として「東の鮭、西の鰤」と言われてきましたが、時代の移り変わりとともに鮭の流通・消費量が増加した結果、鮭が特別なものではなくなり「日常の魚」に変化したことが背景のひとつにあると考えています。

 
出典:会誌 食文化研究:伊尾木 将之、宇都宮 由佳 「レシピ検索データに現れる牛豚を使った新正月料理」

 

*【たべみるについて】http://info.tabemiru.com/
日本最大のレシピサービス「クックパッド」の検索・アクセスログデータを活用した、食品製造業・流通業・小売業向けの明日の食が見えるビッグデータサービスです。食材・地域・季節・食用シーン(誕生日や運動会など)といった様々な切り口で分析を行うことができます。たべみるは有償サービスですが、2016年12月6日(火)現在、研究機関に向けては無償で公開されています。詳しくはこちら

 

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